退院後の通院間隔と治療 ー持病は乳癌③ー

 

通院の頻度と診察の内容

 今、これを書いている時点で、術後7ヵ月目に入っています。退院後からこの時点までの通院の記録と自分の考えを書いていこうと思います。

退院1週間後 2020.12.22


〇傷のチェック、手術部位の生検結果を聞く
〇お会計 病院¥650 処方箋薬局¥740(ヘパリン類似物質油性クリーム25g×4本)

薬剤情報提供書

傷のチェック
 傷の治りは順調らしく、この日からテープを貼らなくてよくなりました。主治医から、湯船に浸かって大丈夫だし、手術痕は洗って清潔にしてね、と指示がありました。そして、塗り薬の処方箋がでました。保湿と血行促進、炎症をやわらげる作用などがあるそうです。私は、お風呂上りに1日1回、右胸を中心にドレーンの入っていた場所、腋の下、二の腕の内側にと広く塗っています。今も続けています。

生検結果
 大きさ 浸潤径 1.5×1.0×1.0㎝ 
     乳管内進展を含めて 3.5×3.0×1.2㎝
 核異型度 グレード1
 リンパ節転移 1/6
 脈管侵襲 リンパ管侵襲 1+  静脈侵襲 0
 断端 陰性

追加の治療をどうするかの話
 リンパ節を6個取ったうちの1個に転移があって、かなりがっかりしました。このあと追加でリンパ節郭清の手術になるのだろうか? それとも、放射線をやるのだろうか? と身構えていたら、主治医は両方とも「やらない」と。 抗癌剤をやるかどうかの判断は、静脈侵襲の精査を頼んでいるので、その結果が出てからと言われました。
 
 リンパ節に転移があるとわかったのに、大きく郭清しなくて大丈夫なのか、不安でした。そして、センチネルリンパ生検の適用があるのにやらない選択をしたことについても、良かったのか自問自答しました。下手な考え休むに似たりとは言いますが、あれこれ考えました。
例えば、センチネルリンパ生検をやった場合、術中迅速診断が陰性で術後に陽性がわかった時には、後に抗癌剤などの治療をすることが決まっているならば郭清をしないこともあるそうです。私の場合のホルモン療法も同じように考えてよいのでしょうか?
しかし、そうであっても、ホルモン陽性の乳がん患者の中には2割程度、ホルモン剤の効きの悪いタイプがあるそうです。


自分がこれに該当するかのスクリーニングを受けることは現実的には難しそうでした。

 かつて乳房の手術を受けたことのある人は、センチネルリンパ生検の精度が少し劣ること、また生検には5~10%の偽陰性があること、リンパ節転移は癌の進行度や予後を知る重要な指標だが、郭清してもしなくても生存率は変わらない等々…
手当たり次第に読み漁って、かなりの選択的バイアスのかかった頭で理解して、追加の切除をしなくても大丈夫だと自分を納得させました。その時に参考にした資料をここに載せたかったのですが、見つけられなかったので似た内容のものを載せておきます。良かったら、どうぞ、見てみてください。



 これを読んでくださっている同病の皆さま方、標準治療にのっとった治療をされながらも、個別性の強い部分も多くて、要所要所で治療の選択に迷い悩まれることがあるのではないでしょうか? 今日、私が書いたこの部分は、私がどう考えて治療を選択していったかを記したもので、これが正解というわけではありません。ご自身との比較対象として読んでいただけたら幸いです。

 退院後、日に日に良くなっていく腋や二の腕の動きを感じていたこともあり、腋窩を再度手術するのは嫌でした。内心、主治医の言った「やらない」の方針に不安はありつつも賛成している自分がいました。できるなら、薬でやっつけたいと思いました。

退院2週間後 2020.12.29


〇傷のチェック、今後の治療について決定、骨密度測定
〇お会計 病院¥1,990 処方箋薬局¥1,970(アナストロゾール30日分)
薬剤情報提供書
この時もらった説明書を捨ててしまったため、90日分出たときのもので代用しています
薬の内容は同じです

今後の治療について
 この日は、今後の治療をどうするか、主治医と話をしました。精査の結果、静脈侵襲は、なかったことがわかりました。私は、リンパ節転移があったことで抗癌剤治療の覚悟を決めていました。癌の診断がついた当初、抗癌剤をやる方向が強かった主治医は、ここにきて消極的になったように感じました。それは、どうしてなのか?聞いてみると、主治医は「過剰医療になるんじゃないかな・・・」と。

続いて、オンコタイプDXの話を振ってみました。すると、主治医は「あれ、高いからやらない」とスパッと即答でした。お~、なんとも清々しいお答え。
価格が高いのと、中間的な検査結果が出る場合もあるとのことで、積極的にやりたいというわけではなかったのですが、もしもこの検査を受けていたら、どんな結果が得られたのか、ちょっと気になるところではありました。


この、オンコタイプDX、再発スコアによる化学療法の効果を見極めることに成功したという発表も出ているようですね。

 いろいろと相談したうえで、結局、抗癌剤をやらずにホルモン療法を始めることにしました。不安がないといったら嘘になりますが、増殖がゆっくりな癌には、抗癌剤の効果が小さいという情報もあり、ホルモン剤を早く始めて、きちんと服用していこうという思いに至りました。
主治医は「飲み忘れは大丈夫だけど、1日に2錠は飲まないでね」とガン見して語気強めに言いました。これ、大事みたいです。アリミデックスのジェネリックでアナストロゾールが処方されました。

骨密度測定
 アナストロゾールの服用を始めると、副作用のひとつに骨量が減るというのがあるそうです。薬を始めるにあたり、骨密度を測定することになりました。検査は簡単で、服を着たまま機械の台の上に寝ているだけです。あっという間に終わりました。結果もすぐ紙面で渡してもらえます。骨には期待していなかったのですが、やっぱりで、腰椎は骨量減少ラインの76%、股関節は骨粗鬆症ラインの68%でした。薬を飲む前からこれでは…骨強化対策を考えなくてはです。

 この日は、退院の時に預けていた保険会社に出す診断書が出来上がっていたので、お会計のあとに入退院受付窓口に寄りました。1通¥5,500でした。受け取って、病院をあとにしました。

ホルモン療法開始
 その後、薬局でお薬を出してもらって、その足でダイソーへ行きました。お薬カレンダーを買って帰ってきました。

お薬カレンダー
ぶら下げるための紐もついています
白や青(?多分)色違いもあります

こちら、150円商品です。どうしたら、飲み忘れないかな? 必ず、目がいくところー冷蔵庫の前扉に配置しました。翌日の12月30日から、毎朝食後、服用を始めました。

前回の通院から約1ヶ月後 2021.1.26


〇問診
〇お会計 病院¥1,060 処方箋薬局¥4,470(アナストロゾール90日分 ヘパリン類似物質油性クリーム25g×4本)

問診・視診
 開口一番、主治医に「どう?」と聞かれました。どう?って漠然過ぎて困っちゃう。薬を1ヶ月服用しての変化、関節がちょっと痛むとか、鼻の粘膜が弱くなって、血がにじむことがあると報告をしました。それと、腋がプックリしていて触るとゴリッとしているけれど大丈夫か、聞いてみました。これを言わなければ、この日、視診はしなかったように思います。

主治医に診てもらいました。そうしたら、一言、「これ、脂肪。だんだん小さくなるから」とのことでした。心配しなくて良さそうでホッとしました。見栄えが悪くて、いつも肉が挟まっている感じがして気持ち悪いですが、変化していくのを期待することにしました。

前回の通院から約3ヶ月後 2021.4.20


〇問診、触診
〇お会計 病院¥1,070 処方箋薬局¥4,710(アナストロゾール70日分)
薬剤情報提供書

問診・触診
 この日は、気になっていたことをいくつか主治医に伝えて答えをもらいました。手術前に造影MRIをやった時、胆石がたくさんあるのが見つかって心配でした。症状がなければ、そのままにしていて大丈夫とのことでした。それと、手術痕の端っこに豆粒のような出っ張りができていたのですが、癌の転移ではないとのことで安心しました。

薬の価格って?
 この頃は、気候も良くなって、腋のプックリも目立たなくなり、また腋と二の腕の痛みも気にならなくなって体調も良くなり、回復を実感できました。

処方箋薬局でちょっと変化がありました。アナストロゾール、同じ薬名ですが製薬会社が日医工からJGに変わりました。お薬代も若干変わりました。ざっくりですが、1ヶ月あたり、¥500アップしました。10年で計算したら、¥60,000の差がでます。

手術後、約6ヶ月 2021.6.18


〇採血、乳腺エコー、CT検査、問診
〇お会計 病院¥8,350

エコー検査結果
  エコーが終わって、主治医が「大丈夫だね」と一言。この一言で私の気持ちがパア~っと晴れました。すっかりこれで終わった気分でいたら、結果を29日に聞きに来てよと笑われました。悪い結果だったら、どんなにか心がザワザワしたでしょう。でも、いつも心のどこかで、そういうこともあると覚悟していなければならないと思いました。

前回の通院から約10日後 2021.6.29


〇検査結果を聞く
〇お会計 病院¥1,070 処方箋薬局¥6,150(アナストロゾール90日分 ヘパリン類似物質油性クリーム25g×4本)

CT検査結果
 主治医から、CT検査の結果でリンパが少し腫れていると言われました。私は、ものすごく動揺して、そのあと、ちゃんと質問できませんでした。とりあえず、今すぐ何かすることは無くて、様子をみていくということでした。一過性のものであれば良いのですが… どんな話が出ても落ち着いて聞けるようにならないとと反省しました。

血液検査結果
 血液検査のほうは、良好でした。ここ数年、γ-GTPと総コレステロールが基準値を超えていましたが、病後、生活習慣を変えた効果があったのか、基準値内に入っていました。気になる腫瘍マーカーのほうも低い数値でホッとしました。

 次回の通院は、約3ヶ月後の9月28日です。



 癌治療は、手術して終わりではないので辛いですね。
再発・転移の文字にびくびくしながら暮らしていかなくてはなりません。
標準治療といえども、皆さん一緒というわけではなく…おりおりに選択しなくてはいけない場面に遭遇します。サバイバーという言葉の意味がリアルにわかるようになりました。
皆さんが、再発・転移しませんように、願いながら。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

2021.8.11

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