きざし
夏頃から右胸の下半分外側(D領域)に豆粒のような固まりがあることには多分、気が付いていたと思います。
ですが、日頃の忙しさに追われて、自覚はあったものの意識の外へ追いやっていました。
そうは言っても、お風呂に入った時には思い出して、胸を鏡に映してみては憂鬱な気持ちに襲われていました。
11月になり、豆粒のように見えていた固まりは、引っ込んだようになり、皮膚が引っ張られるように凹んで短い一筋の線ができました。
指でしこりのあたりをグリグリと触ってみると胸の深いところで硬いものが広がっているように感じました。
やばい…
これは もう やばい…
家の近所の総合病院の外科が私の乳房のかかりつけです。
主治医とは、10年以上、診てもらっている間柄です。
その主治医の担当曜日でかつ私が仕事を休める一番早い日に病院へ行くことに決めました。
初診 2020.11.10 私の主治医は預言者⁈
〇 この日の流れ
問診・触診→マンモグラフィー検査、エコー(超音波)検査→針生検(コア針生検)→主治医の説明
〇 お会計
¥14,950 各検査、病理検査代含む。保険診療3割負担の金額です。
問診・触診
診察室に入って、まず主治医に「前にもできたところにしこりができました」と告げました。(前回。35歳頃、良性、日帰り手術で摘出済み)
毎度のことですが、最初に患部を診てもらいます。診察室の片隅にカーテンでしきられたスペースがあります。
そこにあるベッドに上半身の服を脱いで、備え付けのバスタオルをかけて寝そべりました。
準備ができると主治医がこちらへ来てくれ胸や腋の触診となるのですがー
この日は右胸を見るなり「これ、いつから?」と聞くので「9月の終わりくらいですかね」と答えました。
スズメ、サバ読みました。
ウソつきました。
先生すみません。
そして主治医は、じっとしこりを見て、次に私を見て「スズメさん、これね、癌だと思う。癌だね」と言いました。
スズメ脳内の声
先生~、眼球から超音波でるの?
スキャン機能ついてるの?
一瞥してわかるって、すごないですか?
主治医は、癌だと告げたのち、いつもの触診となりました。
こちらの先生は立てた指をアタタタタタタッという感じで素早く打ちつけながら診ていきます。
あー、やっぱりか… いつかは、この日が来ると思っていたから動揺はしなかったけれど、急に現実となったことで、この先に詰まっている予定や仕事のこと、家族にどう伝えようか等々、服を着ながら頭の中で考えがぐるぐるとめぐり始めました。
マンモとエコー
主治医から「マンモやってきてもらって、そのあとエコーやるから」と声をかけられ、私は1階の外科から2階の検査室へ向かいました。
まず、マンモです。
胸を押しつぶされた時、乳白色や茶褐色の分泌液がピューっと出てくることが度々ありましたが、この日は出ませんでした。
小さいお胸は、めっちゃ潰されて伸ばされて、イカのエンペラみたいになっていました。
マンモが終わって、次に超音波診断室から呼ばれました。
主治医は、探触子をすべらせながら何度もその手を止めていました。
画像を撮るシャッター音だけが静かなエコー室で何度も響きました。
再び服を着て1階の外科待合へ戻りました。
しばらくすると画像の束を手にして主治医が戻ってきました。
私は一緒に診察室へ入りました。
主治医は画像を広げながら「これ、皮膚にくっついているのか⁈うーむ」と言い、ちょっと困っているような感じが伝わってきました。
しこりは器具で測って0.8センチくらい、画像上では1.2センチくらい。
ステージは1、もしリンパ節に転移していたら2。
でも、リンパ節には転移は無さそう。
しこりがあるところから乳頭へ貫通していそうな感じがある。
全摘じゃなくて部分でも大丈夫そうだけど整容性はちょっと…。
主治医が画像を見ながら話してくれました。
もっといろいろ話してくださったような気もするのですが断片的に記憶に残ったのが上のような話でした。
針生検
画像とにらめっこしていた主治医は「今日、針を刺して細胞を採る検査をやってもいいかな?太い針だけど部分麻酔するから痛くはないと思うよ」と。
私は、とにかく早く治療にこぎつけたい気持ちでいたので、もちろんお願いしました。
準備ができるまで再び外科待合の椅子に腰掛けて待ちました。
外来時間をとうに過ぎていたせいでしょうか、それともコロナによる受診控えでしょうか。いつも賑わっている病院内は閑散としていました。
あー、大変なことになっちゃったな
中から呼ばれました。
今度は診察室の隣の処置室に入りました。
上半身の服を脱いで(今日、脱ぎ着、何回したっけ?4回目?)ベットに横になりました。
まず胸に麻酔の注射を打たれました。
そのあと、しばらく主治医はあちこち見ながらどうやってとろうか、シュミレーションをしているようでした。
針生検は初めてで、器具でも見た時には貧血を起こしそうでしたので、ここからずーーーっと目をつぶって終わるまで死んだふりしてやりすごしました。
主治医は「これ、わかる?」と麻酔が効いているか確認し、「大きな音が何回かしますよ」と言って、しこりのサンプルを採る作業を始めました。
何かをしこりのあたりに押し当てて、そのあとバチーンと大きな音がしました。
それを4回程繰り返していました。
痛くは無かったけれど、血の気がひいて手が冷たくなりました。
最後に、生検した場所の止血のために、主治医に全力で押されました。
縫ったりはしなかったと思います。
大きな絆創膏をペタッと貼られ終了でした。
再び診察室で
針生検の結果が出るのに2週間くらいかかるということで、次回の診察は11月25日に決まりました。
(病理結果とCT検査と造影MRI検査の予約が入りました)
次に、主治医は机の中から2冊の冊子を出して渡してくれました。
1冊は、「乳癌患者ガイド」、もう1冊は、「アリミデックス服用ガイド」。
患者ガイドは、ありがたく頂戴するとして、アリミデックスの方は…ホルモン療法の薬ですよね…
「今日は、これで終りね。これ2冊読んでおいてね。アリミデックス、10年飲んでもらうことになるから」と主治医。
これから病理検査に出すのに…
ワンチャン、癌じゃないかもしれないのに…
我が主治医は、サブタイプまでわかっちゃうの?
預言者みたい(;・∀・)
まぁ、このあと、予言通りになっていくのですが。
胸に心配をかかえていらっしゃいませんか?
ダラダラと書き綴ったブログを、ここまで読み進んでいただき本当にありがとうございました。
お読みいただいたかたの中には、今ちょうど、胸に何かしらの不安をかかえていらっしゃるかたも、おいでだと思います。
病院へ行くのを伸ばし伸ばしにしていた私が言える立場ではないのですが、それでもお伝えしたいことがあります。
少しでも変だと思ったら迷わず「病院へGO!」です。
病院でしたら、外科、乳腺外科へ、他にも乳腺を扱っているクリニックなどへ行ってみてください。
受付で気になる症状(しこりがあります/腋が腫れています/乳首から分泌液が出ます/人間ドックで指摘されました等)を伝えて受診してください。
そうすると、病気扱いで保険診療になります。ただ、検査を受けたい、乳癌に罹っていないか調べて欲しいということだと自費診療になってしまいます。
ある病院では、マンモグラフィ検査の場合、保険診療だと¥2,530 自費診療だと¥8,440となっていました。
今回、癌がわかって、忙しさとコロナを言い訳に病院へ行くのが遅くなってしまったことを、ちょっとだけ後悔しています。
もし、浸潤していなければ、皮下乳腺全摘術で同時再建も選択肢に入れることができたかもしれないと思うからです。
まぁ、こうなったからには、ここからよりよい選択をして、後悔しないようにしていきたいです。
癌か、そうでないか早くはっきりさせるのが大切です。
しこりと不安は、大きく育てないこと。これ一番と思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
2021.7.17
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